斜視弱視学会に参加して(視能訓練士 笹原)

一覧へ

斜視弱視学会に参加して(視能訓練士 笹原)

 6月24、25日に横浜で行われた日本斜視弱学会・日本小児眼科学会に参加してきました。
全国の施設の症例について、たくさんのお話を聞かせて頂きました。講演の中で、もっとも多くの症例があり、印象に残っているお話は、スマートフォン、パソコン、ゲームの使用が目に与える影響についてです。
今、私たちの生活の中で欠かせなくなってきつつあり、使用年齢も若年化しているスマートフォン、パソコン、ゲームですが、適度な使用時間では目に与える影響は少ないですが、長時間、連続使用によって様々な悪影響を及ぼします。
その一つが、使用する距離です。近距離で、スマートフォンなどを使用すると、両眼視(両目でものを見る)の発達に影響します。本を読んだり、文字を書いたりする際は、一定の距離を離して読んだり書いたりしますが、スマートフォンなどを使用している際は、無意識のうちに20㎝あるいはそれより近づけて見ていることが多いです。近づけて見ることによって、ものを見ようとする力が強く働き、目が疲れやすくなります。その目の疲れには、もともとの斜視(目の位置のずれ)が関係してることもあります。お子さんにしばしば認められる間欠性外斜視(あるときは目線はまっすぐで、あるときは目がずれる)では、もともと頑張ってものを見ようとすることが多いため、近距離でみることにより、非常に目が疲れたり、斜視の目は使わず、片目だけでものをみこともあります。お子さんは、視覚の発達期なので、片目で見ていると、両眼視機能の発達にも大きな影響があります。
大人の方は、お子さんと違い、視覚の発達は影響されませんが、長時間のスマートフォンなどの使用により、目の不調、身体の不調などといった悪影響が出てきます。
今回の学会は、今この時代ならではの講演が多く、日業務でもためになることばかりで、とても楽しく勉強させて頂きました。
上記の症例も含めて勉強してきたことを自分の知識として、今後皆様の検査に役立てていければと思います。(視能訓練士 笹原)