カラコンはキケン!(視能訓練士 笹原)

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カラコンはキケン!(視能訓練士 笹原)

 最近、”瞳を大きく見せることができ、簡単・手軽にイメチェンができる”といったおしゃれ目的でカラーコンタクトレンズを使用する方が増えています。
カラーコンタクトレンズは、医師の処方箋なしでインターネットやディスカウントショップで安く、気軽に購入できるものがある反面、様々な危険性があるということを、是非皆さんに知ってほしいと思います。
(この内容は、クリニックの掲示板、院内の小冊子にても提示しております。)

はじめに・・・
 コンタクトレンズは、副作用・機能障害を生じた場合の人体へのリスクが高い高度管理医療機器(ペースメーカー、人工心肺、AEDと同じ扱い)として法律でも厳しく規制されています。
通常タイプのコンタクトレンズは、視力を矯正する目的で、医療機器として、酸素透過性など日常の使用に配慮された製品が多い一方で、多くのカラーコンタクトレンズは、検査を受けず、医師が処方したコンタクトレンズではないため、自身の目の状態、カーブが合っておらず、使い続けると目に負担がかかり、トラブルを起こす上に、場合によっては失明に至ることもあります。

★カラーコンタクトレンズは通常のレンズより厚みがある→目に負担がかかる
カラーコンタクトレンズは着色料が加えて作られているため、若干の厚みがあります。
よって”ゴロゴロする” ”圧迫感がある”といった感触があり、眼球に負担をかけています。長時間にわたってつけ続けていると目が疲れるだけではなく、充血などの様々なトラブルを起こす原因になります。

★正しい使用方法の指導されておらず、誤った使い方をしてトラブルに。
ほとんどの方が正しい使い方を指導されず、何日もレンズをつけっぱなしにしたり、洗浄・消毒をせずにレンズを使用する、洗浄液を替えていなかったり、使用期限を守らず使い続けるという誤った使い方をすると細菌感染を起こし、視力低下、最悪失明する場合があります。

★カラーコンタクトレンズは酸素を通しにくい
カラーコンタクトレンズは酸素透過率が低く、角膜(黒目)に酸素が行き渡らなくなり、角膜が呼吸できず、細胞が死滅していくこともあります。さらに、角膜が酸素不足の状態が続くと、元々血管のない角膜に酸素を供給するために血管を伸ばし視力低下を引き起こすことになります。また、慢性的な酸素不足で角膜の内面の細胞が不ぞろいになり細胞数が減少し、これによって視力低下を引き起こします。この内面の細胞は一度減少したら二度と戻りません。自覚症状がないため、定期検診が大切になってきます。

★粗悪なカラーレンズだと色素部分が露出する
 多数のカラーコンタクトレンズはレンズの最表面に着色しているため、着色部分が角膜に直接触れてしまいます。その為、瞬きによる摩擦が加わることによって色素が溶け出し、角膜に付着します。付着した色素で角膜に傷がついたり、着色料によって目に炎症が起こることもあります。角膜の傷が重症化して失明に至る角膜潰瘍を引き起こしかねません。
(人は、1日に1万5千回~2万回の瞬きをします。瞬きをすることで、目の中でコンタクトレンズは動き、瞼の裏とすれ、その摩擦によって色素がはがれてしまいます。)

*カラーコンタクトレンズも、使用する際は、扱いのある眼科クリニックでの処方を必ず受けてください。
(当院では瞳を大きく見せるサークルレンズのみ取り扱っています)
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(視能訓練士 笹原)