今年こそ

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今年こそ

年が改まると、こりもせず、今年こその計画を山のように立ててしまいました。

その一つは、買っては積んでしまった未読の本を読むことです。読書は、自分の一度きりの人生では知ることのできない多くのことを疑似体験させてくれるのが、醍醐味とおもっています。

帚木蓬生「うつされた顔」、久坂部羊「悪医」を読みました。前者は、世界ではすでに数例の治療が行われているという顔の移植をテーマにしています。心臓移植を受けるといただいた方の性格になる、眼球の移植を受けると見えるものが以前とは違って感じる、といったことをテーマにした小説は多々ありますが、顔移植となると、外見的に変わるので、自他ともに、その部分の受け入れが難しいのでしょうか。帚木蓬生の緻密な文章が大好きですが、今回は戯曲風だからなのか、さらりと読める本文、帯にもあるように、解説の方が読み入りました。後者は、多分「悪意」とかけてるのかなと勝手に判断しています。悪意のない医師の言葉が、患者さんの神経をかなり逆なでしているようで「悪い医者」と思われるのでしょうか。でも、ラストは涙なしでは読めない感動ものです。2冊とも、大好きな作家なので、堪能しました。

これから、アービンジャー・インスティテュード「自分の小さな箱から脱出する方法」と帚木蓬生「蠅の帝国」を読む予定です。前者は、知人が人間関係を考えるときにいつも読む本、と話していたのを聞いて購入、自分の固定観念を変えてくれそうな予感のする本です。後者は、発売と同時に張り切って買ったのに、年末に文庫化されてしまいました(よくあることですが・・)。重いですが読まなければならない本なので、思い切ってスタートを切ります。(院長)

悪医・うつされた顔